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「サウスバウンド」

サウス・バウンド」 奥田 英朗
僕の父さんは元過激派とかいうやつで、いつも家にいて小説を書いている。学校なんか行く必要ないとか言うのだけれだけれど……。少年の視点を通して、変わり者の父に翻弄される家族を描く、長編大傑作!
書店でも平積みになってるので見たことあるかと思いますが・・・面白い!!

主人公の二郎は小学六年生。東京の中野に住む都会の普通の小学生。変わっているのは父親の「一郎」だ。このお父さん、絵に描いたような反骨精神むき出しの闘士。
昔は学生運動に身を投じ、革共同とかいう左翼組織でリーダーを張ってたらしい。
自称フリーライターだが、ふだんは家でゴロゴロしており、役人・警察・先生の類が大嫌い。国民年金の支払いは公然と拒絶、息子の通学に反対。日本国民をやめたがっている。

こんな個性バリバリの父さんに振り回され、内ゲバ騒ぎに巻き込まれ、あげくの果てには家族みんなで沖縄の離島へ移住し、自給自足の生活へ。。
小学6年生の主人公を通した学校生活や沖縄での島民生活が鮮やかに描かれ、破天荒な父親を台風の目として、波乱の中から家族の結束が固まっていくまでがテンポ良く描かれており、文句なく面白かった。^^

作者自身は、学生運動の経験もなく、左翼思想への傾倒もないということで、イデオロギー的な主張はほとんどなく、ひとつの「キャラ」要素としてアナーキストが描かれているところが面白い。

主人公にとっては、国家や営利主義になじめず、東京ではぐうたらするか公務員と喧嘩しかできない、迷惑以外の何者でもなかったオヤジが、沖縄離島での自給自足の生活では、頼もしい独立した男としてまぶしく映る。
読み終わると、なぜか、こんな大人げない「楽園」を追い求める父親が愉快に暮らせる、エアーポケットみたいな場所、パイパティローマがあってもいいんじゃないか、なんて思えてくる。
読後感も良くてマル。

4048736116サウス・バウンド
奥田 英朗
角川書店 2005-06-30

コメント:2

キリコ 2005年8月10日 10:57

こんにちは。

サウスバウンド、発売日に買って読みました。
奥田英朗は邪魔・最悪から入ったので
あんなんばっか書くのかと思ってたから
イン・ザ・プール読んだときは同じ人だと思いませんでした。
サウスバウンドも軽妙で読みやすくてよかったですね。

というわけで今度は「延長戦に入りました」読んでみます。
エッセイですが。

リョウスケ(管理者) 2005年8月11日 11:52

キリコさんこんにちわ。
そうだ、イン・ザ・プールもそうだったんですねぇ。
「延長戦~」読んだら感想聞かせてくださいね。
他にオススメもあれば聞いてみたい。

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