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「殺人症候群」

警視庁人事二課の環敬吾が率いる影の特殊工作チームは、現代の必殺仕置人らしく、また鮮やかに悪を葬り去るはずであった。しかし今回の彼らの標的は、被害者の遺族に代わって復讐を果たそうとする「殺人者」であった。「症候群シリーズ」の掉尾を飾る問題作!
症候群シリーズってのは他に読んでいないのだけどね。犯罪被害者による復讐、それも代行による復讐がテーマの1冊。結論から言うと、星3つ・・・かな。

未成年犯罪者の更正に重きを置いた現行の法制度や、犯罪被害者の保護を扱った小説は他にも多く、そうした点では東野圭吾の「さまよう刃」の方がより深く、考えさせられた。

本書に出てくる復讐殺人に関わる人間は、まさに「殺人症候群」と言って良いほど、短絡的に殺人を犯す。そこに描かれる背景や、犯罪被害者としての苦しみの描かれ方に比して、その行為はやや唐突で軽率に感じられ、読者として置き去りにされた感が否めない。

心臓移植以外では助からない息子のために修羅となって、ドナーの若者の殺害を繰り返す母親が、天罰のごとく精神異常の若者に暴行・殺害されるシーンは凄惨で、後味が悪い。

全体として深みに欠けたまま、救われない方向へと展開する話であるが、これだけのボリュームを一気に読ませるのは著者の筆力のなせる業、というところだろうか。

4575510149殺人症候群
貫井 徳郎

双葉社 2005-06
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