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「邪魔(上)(下)」

邪魔〈上〉(下)」 奥田英郎
及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴一年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。
奥田英郎2冊目。これもコメントで紹介頂いてたもの。

「最悪」に続いてこれも良かった。「最悪」と筋も似ているといえば似ているのだけれど、どこにでもいるような平凡な登場人物が、ある出来事をきっかけに、転がり落ちるように不幸に巻き込まれていく。あこがれのマイホームで夫と小さな子供に囲まれ、平凡ながら幸せに暮らし始めた主婦、妻に先立たれ一時は生きる希望を失ったが何とか刑事として毎日を送る男。彼らを奈落の底に突き落とすのは、自ら犯した罪や天変地異ではなく、ごく身近な存在の夫であり、同僚なのだ。
「夫が会社で小さな着服を繰り返す」「女で問題を起こした同僚に逆恨みをされる」といった小さなことから、1人の人間がいかに極限まで追い詰められ、判断を失い、破滅へ向かうのか。
他人が自分の「邪魔」をする、自分が他人の「邪魔」をする。他者との関わりなくして存在しえない人生の恐さがわかる一冊。^^

邪魔〈上〉
奥田 英朗

講談社 2004-03
売り上げランキング : 10,497

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