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「ボウリング・フォー・コロンバイン」

遅ればせながら、DVDにてボウリング・フォー・コロンバイン(Bowling For Columbine)を観た。
1999年4月20日に起きたコロンバイン高校銃乱射事件をきっかけに、マイケル・ムーア監督の「アメリカ人と銃社会」を考える旅が始まる。事件をヒステリックに書き立てるメディアと、その中でスケープゴートに仕立て上げられたマリリン・マンソン。「何故、こんな事件が起こるのか」「銃保有が可能な他国との違いは何なのか?」「誰がこんなアメリカにしたのか」
マイケル・ムーア監督自身がカメラ担いで主演、アポなし取材を敢行する。

ドキュメンタリーというと、テンポが悪くてダラダラした印象だったり、辛気臭いという印象があってロードショーを何となく逃してしまっていたが、見てみたら面白い!テンポもよく、アニメーションやインタビュー、報道映像などがバランスよく配置されており、退屈することなく最後まで見ることができた。

以降はネタばれ記述も含むので、これから観てみようと思う方は注意。

この映画で興味深かったのは、「アメリカ人としてアメリカ人のことを真剣に考えてみよう」という視点だろうか。コロンバイン高校の事件の顛末や周辺調査を機軸に据えながら、アメリカの銃規制や保有の実態、そもそもの国民性などさまざまな観点からの取材を丁寧に行い、最終的にはマスメディアや銃弾を販売する流通業者、NRA(全米ライフル協会)やKKK、ホワイトハウスにまで切り込んでいく。

いろいろな捉え方があるのかも知れないが、映画でトラックされていた流れは以下のような感じだろう。
・アメリカ人は、歴史的にも迫害や外からの攻撃に「恐怖」を抱えた民族であった
・その「恐怖」のリバウンドとして、アメリカ原住民を滅ぼし、黒人奴隷を迫害してきた彼らであったが、そのことは一層彼らの恐怖を増大させるだけだった
・政治や軍需産業、マスメディアはその「恐怖」を逆手にとって、意図的に内外に「仮想敵国」や「危機」を創出し、それらに対応する確実かつ唯一の手段として武器(銃)を売りつけた
・現代のアメリカ人は「恐怖」で満たされ理性を失っており、そんな人間が銃を手にすることが悲劇を生むのだ

個々の映像やインタビューの中にも興味深いシーンが多く、チャールストン・ヘストンの表情や態度の変化などは非常に印象に残った。

かなりメッセージ色が強く、ドキュメンタリーを逸脱したような作為的なシーンもいくらか見られたが、映画として非常によくできており、自分で考えをめぐらすことを妨げるようなこともなかった。

追記:
ロードオブザリングとボウリング・フォー・コロンバイン。2人のデブにヤラレた週末だった。

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